天然無機顔料
古来、顔料は油脂類を燃やした際の煤を使用した黒色以外は自然の岩や鉱物などをそのまま粉砕したものが主体であった。黒色の煤は現在カーボンブラックと呼ばれ、非常に多様な用途に使用されている。書道で使う墨の高級品は昔ながらの油煙(ランプブラック)を使うが、一般的には天然ガスや石油を不完全燃焼させて作ったファーネスブラックが使用されている。また絵具では植物を燃やしてつくった植物性黒や動物の骨を燃やしてつくった骨炭も使われている。ラピスラズリを使ったウルトラマリン青や孔雀石を使った緑青などは高価であり、高級な絵画や装飾物に使用された。赤色は弁柄(天然酸化鉄赤)や辰砂(硫化水銀)が使われた。現在工業的に使用されているものは、アンバーやシェンナといった天然土由来の褐色顔料や、炭酸カルシウム(白または無色)、カオリン(粘土、無色)などが多い。これらの天然鉱物顔料のうち無色顔料は、淡い色を作るときに使われる他、レーキ顔料の素材としても使われる。特殊な例として白色雲母を粉砕して使うパール顔料(真珠様光沢を出す)がある。天然鉱物顔料は今日では顔料工場にて微粉砕されており、使用目的に応じた化学的処理を受けて出荷されている品種も多い
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